片付けブームですが… (2012/04/02) 第6回
知らず知らず溜まってしまった、大量の洋服や小物や本等を、何日もかけて片付けています。
嫁入り道具の思い出深い大きなタンス2竿を、思い切って捨てて、中にあった洋服、タオル、小物等、半分くらい捨てました。
しかしどうしても捨てられない物たちを、どこかに収納しなくてはなりません。
それで、収納する場所を確保するため、押し入れの整理を始めました。
押し入れの中の物も半分くらい捨てましたが、それでもやはり、捨てられない物はあります。
中に新しく棚を作り、収納の仕方を工夫したりして、何とか使いやすく、たくさん収納出来るようにしました。
他にも色々、家中の部屋の中を整理し、改造して、ようやく収まってきました。
物であふれていた部屋が綺麗に片付けられ、不便だった事も解消され、部屋だけでなく、気持ちもスッキリして大満足です。
この気持ちよさを感じながら、あれ、この感覚は、なにかと似ているな、と気づきました。
それは、難しい証明問題を何日もかけて解いた時の喜びに似ているのです。
証明問題を解く時、アプローチは何通りもあります。正解は1つではなく、試してみて、ダメだ、また初めからやり直し、
じゃあ、ここにこうしてみたらどうかしら、あぁやった、ここはこれでいいな、
じゃあ次はどうしよう。ここにこれをおいて、じゃあここはこうなって…、
頭の中で、くるくる考えを廻らせ、イメージし、試行錯誤し、条件を整理し、ようやく、自分なりの正解にたどり着くのです。
そこにたどり着くまでの、長く孤独な戦いは、辛く、逃げだしたくなるものです。
しかし、だからこそ美しく正解にたどり着いた時、達成感は格別なものになります。
証明問題と片付けは違う物ですが、似ていると私は思います。
片付けだけでなく、冷蔵庫の中の食材をいかに効率よく栄養面も考えながら使い切るかとか、
食事の支度を何から始め、どのような順番で料理したらよいかとか、
一日の家事をどのようにやったら上手にこなせるか、正解のない問題に、主婦は毎日頭を使っています。
このことは、主婦だけではないと思います。
これからの時代、すべての人が、会社や国の言うがまま、ただ真面目に働くだけではなく、
自分で考え、正解のない問題に、一人で立ち向かう力が必要になっていくと思うのです。
その力を養うのが、数学なのだと、私は思っています。
最近の子どもたちは、面倒なことからすぐ逃げだそうとします。
でも私は、数学を学ぶことが、子どもたちの人生にとって大切なことだと信じているので
子どもたちが一人で正解にたどり着くまで、辛抱強く、傍で見守りながら、一緒に喜びを共有出来るような塾にしたいと思っています。